本音を言うとシュウイチさんにだけは本当の事を話したかった。
俺がウソをつく事は、今まで俺を育ててくれたシュウイチさんに対しての裏切り行為でもある。
だが、ナオキの身の安全、それから俺自身の責任を考えるとシュウイチさんにこの事実を切り出す事は出来そうもない。
「もしもし」
「ああ、堅二か…」
シュウイチさんの声は思いのほか沈んでいた。
「ナオキはまだ見付からへんか?」
俺は高まる鼓動を何とか抑えながら、今から競馬場で探す事を報告する。
ナオキのアパートには鍵が閉まっていて、チャイムを鳴らしても返事はなかったと伝えた。
「まあ、ナオキの件は別にして、お前にとって悪い話があんねん
覚悟して聞きや…」



