天使への判決



俺の指示でヨウスケは車を競馬場に向けて走らせる。

今日は記念レースがあるので、ナオキの行動を予測したら、まず行きそうな所だ。

俺達はアニキ達への説明を取り繕うために、ナオキが普段行きそうな所へ、シラミ潰しに廻るつもりだった。

「アニキ…リュウジさんとシュウイチさんに黙っておくのですか?」

それまで無言で運転していたヨウスケが、横目で俺の方をチラッと見た。


「ああ…」


俺はそう呟いて、腕時計に目をやった。

2時。

最終レースまで、まだ時間がある。


ヨウスケの車は警備員に誘導されながら競馬場の駐車場に入っていった。

今回の記念レースは有名馬の引退試合と重なっており、さすがに駐車場の空きスペースを探すのも一苦労だ。

その時、俺の携帯電話が突然コールした。

俺は携帯を開いてディスプレイを眺める。

『シュウイチさん…』