喧嘩するたびに高史は言う
あたしに言う

「別れよう」

もう何回聞いたことだろう
もう聞き飽きるくらい聞いた
言われるたびに・・・不安
だけどあたし 信じてるもん
高史は“心にもないこと”を
言ってるだけなんだって

わかるし そのくらい。
高史は 素直じゃないしさ
一時的な気分で言うからさ・・・
高史は 喧嘩するたびに
「別れよう」を言う だけどね
あたし本当に
言ってほしくないんだけど
喧嘩してすぐ「別れよう」
言うなら あたしは不安になる
冗談でも言わないでよね

何回 何十回 何百回って・・・
「別れよう」って
言われても結局 あたしのこと
好きだから
別れないじゃんか・・・ほら
言ってるだけでしょ
心にもないことを・・・


あたしはあれから毎日
『おやすみ』が言えるように
なった

高史は自分が不安になるのが
怖かったんだよね?
でも高史は だんだん
あたしの気持ち分かってくれる
ようになったよね・・・

「おやすみが言えないなら
別れる」は脅しだったのかな?
バカ。