「そっか…」
そう言って何か考えた後に
「頑張って来いっ!」
ニヤつきながら言った。
もぉー!
なんでみんなあたしに
同じような事ばっか言うの?
信じらんないよ。
「てかなんで着いて来てるの?」
「いやぁー、俺も
拓冶に会いたいなぁと思って」
そんなの嘘に決まってる。
顔に書いてあるし。
あたしはお兄ちゃんを無視して
玄関のドアを開けた。
「ごめんね、
待たせちゃって」
そこには当たり前なんだけど
私服の拓冶がいた。
いつもの制服とは違い
すごく大人に見える。
しかも、
ラフな格好なのに
すごくオシャレに見えてしまう。
あたし………
つりあうのかなあ?
なんだか不安でいっぱいだ。
「いや、全然待って……」
拓冶は振り返り、
あたしを見て目を丸くしている。
「どうしたの?」
あたしがそばに駆け寄ると、
思い出したかのように
「あっ、ごめん。
今日、いつもとちげーから
ちょっとびびった」
あっ、そっか。
あたし化粧してるんだっけ?
