「お兄ちゃん、本当にできんの?」



勢いで頼んでみたけど、
不安でいっぱいだった。
いくらお兄ちゃんだって
メイクとかはできないだろうって。


「うーん、

まあ笑羅よりは上手いんじゃねーの?」


笑いながら言ってるけど
お兄ちゃんの手に迷いはない。


…………。


てゆーか、


笑ってる!?

もしかして楽しんじゃってる!?


鏡を見たらひどい、

なんてことないよね?



…………………。



しっかしまあ、真剣だよね。


こんな真剣なお兄ちゃん見たの
何年ぶりだろう……。



「お兄ちゃんプロみたいだよ」


ふっと口から出た素直な感想。



「あー、そぉ?
さんきゅー。


俺さぁ、将来
こういうことしてーんだよ。

まあここだけの話だけど…」


お兄ちゃんは照れながら
あたしに教えてくれた。



「じゃあ将来の夢ってこと?」



「うん、まあな。


よしっ!できたぞ~」



そう言ってあたしに
鏡を持って来てくれた。



おそるおそる見てみると、