それから夕方まであたしの話をしていた。 そのせいか、 あの朝の光景を忘れてしまっていたことに あたしは気付かなかった。 しかも、 その日、朋香がヒロ君の話をしなかったことにも 鈍感なあたしには気付けなかったんだ…。 「じゃあ、そろそろ帰るね」 早く帰んないとお母さんに怒られちゃう。 「うん、気を付けて帰りなよ」 ふふふっ、 なんかお母さんみたいだ。 「はあーい。 ばいばーい」 「ばいばいっ」