リンゴとミカンの事情

「やめろ!キモい!気持ち悪い!」



涙混じり、鼻にかかったような声を上げた所で、ミカンの上からどいた。


両脇に手を入れて起き上がらせてから、外したボタンとリボンを元に戻してやった。


「何がしたいんだよ…」



正面に回ってミカンと視線を合わせた。

目には涙が滲んでいた。

滅多に泣かないミカンを泣かせてしまったことには、罪悪感を感じたが、どうしても知って欲しかった。