リンゴとミカンの事情

ミカンの手首を掴むと、ミカンは反射的に手を払おうとするが、男の力に適うわけがない。


「離せよ!バカリンゴのくせに」

ミカンはなんとか引き離そうとして、リンゴに掴みかかった。


「ばか!何してんだ」


懐に入って投げ飛ばそうしているミカンに負けないように踏ん張っているうちに、ミカンを下にしたまま倒れてしまった。


この態勢はリンゴにとっては好都合だった。