「時間のループのこと!」


「え?何それ?ゲームの話?」


伸也がとぼけてるように思えない。というより、こんなときにとぼける奴じゃない。


じゃあ……


「あ……、悪い悪い、寝呆けてたわ!夢の話しとった!」


これ以上言っても無駄だと思った健は、そう言ってごまかした。


「アホか。明後日の練習、遅れんなよ」


「え、明後日?明日やないん?」


「……いい加減起きろよ」


「あ……あ、そうやそうや、明後日やった!ほなまた明後日な!」


「うん」


通話時間1分45秒


やはり、ループが変わっている。


時間が戻る前と、全く違う出来事。


それよりも、伸也の記憶がなくなってる?なんで?俺は……誰かにはめられたんか?


まるで、どこか違う世界に飛ばされたような気持ちになった。


わけがわからない健は、とりあえず竜二はどうなっているか気になって、竜二に電話を掛けた。