作戦とは、健は竜二の気をひいている内に、伸也は女神の時計を持って不意打ちをするというものだった。


「うん。まぁ……もう終わった。全部終わった」


「そうやな……よかった」


「お、23時59分や。これでもう、時間が戻ることはないやろう。新年の始まりや」


「おう。とりあえず、俺病院行かな……伸也、救急車……」


「そうやな。早く治療受けんと」


ジリリリリ!


「え?」


目を開けると、健は自分の部屋の布団にいた。


「あれっ、昨日どうやって帰ったんやろ?」


そう思って頭をかいていると、次の瞬間、ハッと飛び起きた。





傷がない……まさか……





腕だって、足だって折れていない。


健は一階へ走って新聞を見ると、そこには12月29日と書かれていた。