「ほんなら……健。お前にもそろそろ消えてもらおーか。残念やけどな」


そういって、竜二は健に手のひらを向けた。


巨大な火の玉があらわれた。聖の光だ……


「くそ!竜二!覚えとけよ!」


「おぅ。お前のことは忘れんよ。……ぐわぁぁあ!」


そう言った瞬間、竜二は急に倒れこんだ。


そこには、バットを持った伸也が立っていた。


「健……昨日の作戦通りやな」


「伸也!お前……出てくるの遅いわ……」


「でも健お前、よく時計無しで死なんかったなぁ」


そう言いながら、竜二のポケットから時計を取り出し、健に投げると、折れていない方の手でキャッチした。


「だって時計はお前に渡しとかな、バットで殴っても効けへんやんけ」


「そうやな。健、それにしてもお前の作戦はよかったな。普通に向かって行っても、竜二には勝たれへんからな。でもお前がここまで体はるとは……正直びっくりしたぞ」


「これぐらいせな、あいつは油断せぇへんかったやろ……」