『マーマー』

『バナナ!』



秋斗を見送りながらも、後ろから聞こえてきた声でハッとなり、すぐに振り向くと幼稚園の準備中だった愛花と尚斗があたしを待っている状態だった。



そうだ。

早く朝ごはん食べさせなきゃ…。



時間に追われるようにバタバタと朝食を食べさせると、幼稚園のバスのお迎え場所まで愛花と尚斗を連れて行った。




『おはようございます』



いつものように先生に挨拶をしたあたしは、元気よくバスに乗り込んでいく愛花と尚斗に向かって、本日二回目の“いってらっしゃい”で見送った。




はぁ。

慌ただしい朝はとりあえず一段落。


一人でゆっくりコーヒーを飲みながら、あたしは朝のワイドショーをぼーっと見ていた。



なんか…やっぱり静かだな…。


さっきまで賑やかだった家の中が嘘のように静かで。


うるさくて困ることもあるけど、やっぱり少し寂しく思えた。