明日へ架ける花

「七尾。まだ夏休みボケは早過ぎるんじゃないのか?」

担任がそう言ってあたしの成績表を左手でピラピラと振ってみせる。クラスの半分がそれで笑いの渦と化したのは間違いなく、後ろの席のアヤノも間違いなく心の底から笑っていた。

取りにこい、と言われて、初めてあたしはほんのちょっとの苦笑が出た。席を立ち、担任の手から成績表を取って帰って席に着いてもその笑いの渦は止むことはなかった。