組織のトップのおっさん達はいろいろやっていた……
ネズミ講、強引な訪問販売、ボッタクリ、未成年売春……、
そのさらに闇の奥の仕事も……
醜く混沌とした世界だった……
世の中はダマした方が勝ち……
そう教わり……
当たり前のように思っていた……
一人の幹部の若者が僕を可愛がってくれた………
憧れるぐらいカッコ良く、
大阪出身の彼の口調も……
僕はよくマネていた……
吸うタバコも同じ銘柄にした。
いま思えば……
ギリギリなトコで彼に止められていた……
「これ以上はオマエはえ〜から」。
よく言われていた……
成り上がるには実力もいるが運も必要だ……
僕は彼に可愛がられたからこそ、一つのエリアを任されるぐらいになった。
足手まといなんて思われたくなかった…
「オレに任せてほしい!」と言うといつもキレられた……
殴られた事はないが、かなりの剣幕だ……
「これ以上やったらオマエは戻れなくなる…」
最後はいつも諭すように優しく告げてきた………
そのトキのボクにとっては………
楽しかった……
世間に責められるような世界だけど……
本気で泣いたり、
笑ったり、
怒ったり、
悲しんだり、
いつも感情が爆発するぐらい生き生きしてた。
でも………一気に……悪は滅びる事になった……
