家に帰った俺を待っていたのは、体育会系を思わせるかのようなもので…。


「ゆ…、結子さん。もう…無理ですってば。」

「ダメ。ぜーったいにダメ!!」

「体力的にも、俺限界ですよ…。」

「何?じゃあ、お店で言ったのは嘘だったの!?」

「嘘じゃ…ないです。だから…、お願いだから勝手に動かないで!!」


この状況が、1時間以上経っている。




意を決し、玄関のドアを開けた俺を待っていたのは、いつもと変らない可愛い結子さんの笑顔で…。

「タク、おっかえり~♪」


靴を脱ぎ、部屋に上がったと同時に結子さんが飛びついてきた。

何?もしかして、結子さん怒ってないとか…?




「アタシがいいって言うまで、お姫様抱っこしててもらうからねー。」


甘い考えの俺は、大バカ者だった…。



結子さんの機嫌を直すのに、プラスアルファで貰ったバイト代はもちろん消え、無駄な腕の筋肉がついたのは言うまでもない…。



バイト編 fin.