ドキ・・・・
目が合った、気がした。
佐倉優斗は、机に座ったまま手招きする。
は・・・・?
私ですか??
自分で自分を指差すと佐倉優斗は頷く。
トン。
歌菜と愛に背中を押された私は、ゆっくりとクラスに入った。
廊下に集まっている女子がざわめき、視線が集中しているのがわかる。
「・・・・なんでしょうか」
「なんでしょうかじゃねーだろ。
それはこっちの台詞。
こっち見てたけど。
・・・・何か用?」
やっぱり・・・・
イケメンって性格悪い人多いんだよね。
「いえ・・・別に。」
睨みつけてやる。
「は?アホか。
何ガンつけてんの。」
カッチーン
もう、あったまきた!
「バッカじゃない!?
あんたの事なんか見に来てないっつーの!
勘違いしないでもらえる!?」
「なっ・・・・!」
ふん!
『奈々美!』
小さい声が聞こえた。
振り返ると、頭を抱える歌菜と腕組みしてる愛。
あちゃー。
やっちゃったー。
「えーっと・・・・
失礼しました!」
呆然とする人達を横目に、退散することとなったのだ。
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