そして2日目。
あっさりとこなしていく達弥君を見て、皆呆然としていた。
もちろん私もその1人。
昨日に引き続き、ノーミスの達弥君。
休憩時間になっても練習してるので、傍に駆け寄った。
「相手役、やろうか?」
真剣な表情だった達弥君が私に向けたのは、
いつもの紳士な笑顔だった。
「ありがとう、助かるよ。」
その落ち着いた雰囲気にホッとさせられる。
私は、疑問だったことを聞いてみることにした。
「達弥君は、なんでそんなにすぐ出来るの?
ピンチヒッターなのに。」
『もの覚えいいねぇ。』って笑ったら、
達弥君は床に座ってあぐらをかいて、微笑んで言った。
「もの覚えは良くないよ。
だから今もこうして練習してる。」
偉い。
代役に対して、そこまで出来るなんて。
私は黙って隣に座った。
「ただ、一度でいいからやってみたかったんだ。
奈々美と。」
最後の言葉に目を丸くする私。
「なぁ、俺じゃ駄目かな?
そりゃあ、優斗の方がかっこいいし。
性格は、まぁ、良くないだろうし。」
この間の達弥君が本当の達弥君?
「だめ、かな?」
告白されるのは慣れてなくて、正直どうしていいかわからない。
ただ・・・
「達弥君はカッコイイよ?
私なんかもったいない。」
その言葉を聞いた達弥君は眉を下げて笑った。
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