よ、呼び捨て?
「・・・・それはなんか、気が引ける。」
「はぁ?
何だそれ。
んじゃ、俺も奈々美って呼ぶ。
それでいいだろ?」
とくん・・・
少し心臓の音が聞こえる
嫌なはずなのに。
呼び捨てにされて、嫌なはずなのに。
「うん・・・。」
なんでだろう。
頷いてしまっていた。
「ね、・・・優斗は、小さい頃なんて呼ばれてたの?」
優斗はしばらく黙って、
「・・・優ちゃん」
と、呟いた。
「へぇ。」
優ちゃんかぁ。
なんか、可愛いかんじで面白い。
台本を広げようとすれば、
ふと、頭によぎった。
「え・・・?」
優、ちゃん?
もしかして・・・・・
「あの時の・・・・・・・?」
ずっと私を見ていた優斗は、
「やっと思い出したか。」
と、いつもの優斗からは想像できない
無邪気な笑顔を見せた。
どきん・・・・どきん・・・
何?
何で、ドキドキしちゃってるの?
私、どうしちゃったの?
頬が熱い。
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