「皆さんおはようございます。


今日はいつもと違うことをします。


役で1番接することの多い人同士でペアになってもらい、

お互いの欠点を見つけてもらいます。


言われた事はこの時間内に克服するようにね。


では、ペアを決めて下さい。」





役で1番接する人って・・・・



どう考えても佐倉優斗じゃない!





救いの目を愛に向けるともうすでにペア組んでるし。





まじですかー?






「優斗君っ。


ペア組もう?」





振り返るとあの子が佐倉優斗に近寄っていた。



神林麗華さん。




ちゃっかり、優斗君って呼んでるし。



上目づかいとかしてるところを見れば、好きってバレバレでしょ。






「いや、俺と一緒のシーン少ないだろ。


娘役がペア相手じゃん?」





さすが。


嫌味なく断って、相手を傷つけない。







「え、でも・・・。

娘役は2人いるし、ね?」



んー、ねばる神林さん。






「それに、プリンセスの相手は王子だろ。」





ニヤリと笑いながら近寄り、私の腕を引っ張った。





「わっ。」



よろめくと、佐倉優斗が支えてくれる。






「っ、そっか。


じゃあ、また後でね。」






そう笑顔で言った神林さんは、私をきつく睨んで離れて行った。