スッと隣に座り、小声で話し始める。
まだ赤い頬を指差して、
「これ、優斗にやられたんだけどね?」
うん。
聞いたよ。
黙って、頷いてみる。
「あいつが殴ったのは、奈々美のためなんだよ。」
「え?」
どういう、こと?
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達哉君が私にキスをした、あの日。
優斗は怒っていた。
『殴ってくる』とまで言ってくれた。
それを止めたのは、私。
優斗が王子役から降ろされちゃうのが嫌で。
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「あの日、俺が泣かせちゃったでしょ?
その事で今日、怒られたんだ。
『奈々美を泣かせるようなことするな』って。
それで、一発殴られた。
だから、俺も言ってやったんだ。
『お前も泣かせるような事するなよ。』ってね。
それが、俺があいつを殴った理由。
一応、奈々美には言っておかなきゃいけないと思ってさ。」
嘘だ。
優斗が、私のために、
殴ったの?
怒ってくれたの?
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