やって来たのは、優斗お気に入りのもんじゃ屋さん。
ご主人と奥さんが優しい笑顔で迎えてくれた。
私達メインキャストだけでいっぱいになってしまうこのお店。
貸し切りなのにも関わらず、時間が早いからと格安の値段にしてくれた。
「突然お願いしてすみません。」
「いーのよ、優斗君の頼みだもの。」
にこやかに話す奥さんは素敵。
相談事をしたくなるようなオーラを持つ人。
「おい。」
「ん?」
ふと顔を上げれば、手を差し出している。
「封筒。」
あ、そっか。
先にお金払っちゃうんだっけ。
集金したお金の入っている封筒を慌ててカバンから取り出す。
それをスッと取った優斗は、
「お願いします。」
奥さんに渡した。
ふと、奥さんと目が合い、
お願いしますと頭を下げれば。
「優斗君の彼女さん?
可愛い子ね。」
と、これまたにこやかに言った。
「は!?
いや、あの、
・・・・・・あー、はい。」
ちらっと私の方を向いた優斗は、
頭をかきながら答える。
真っ赤になる私達を見てふふっと笑いながら、
奥さんは厨房へ行ってしまった。
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