恋するシンデレラ






「あー、もう。



なんで泣かせるかなー。」





ハンカチでそっと拭ってくれるのに、さらに溢れ出る。


誰かに優しくされると、止まらなくなっちゃうのかな。







「・・・・・・・・・・・・。





・・・なぁ。

俺と付き合わない?」





そっと、胸ポケットにバラを入れられる。



バラから達哉くんに目を向ければ・・・・・・。







「・・・・・・・・・・・え?」






悲しそうな笑みに。



腫れた頬。





涙で霞んで気づかなかったけど。





赤く、痛々しくなっている。









「あぁ。これ?



・・・・・・急用でね。」







私の目線に気づいた達哉君は、フッと笑った。






それがまた、悲しそうで。


苦しそうで。



見てるだけで胸が痛む。
















ふと、さっきの言葉が頭をよぎった。










・・・・・・・・・・・・・・・付き合う?





私と、達哉君が?














あの時言いかけた言葉は、やっぱりこれだったの?










でもね、達哉君。







前にも、断らなかったっけ?






優斗しか見れないって。


そう、思って。




言わなかったっけ?





.