恋するシンデレラ








「まぁ、さ。

こんなチャンスめったにないんだから。


ちゃんと告白しなよ。」


「そうだよ!

こんな人混みじゃ、
なかなか見つけられないもん!


ラッキーじゃん!」




丸分かりのお世辞なんかより、よっぽど嬉しい。


いつもこの2人にはお世話になっちゃってるなぁ。




私の緊張をほぐすために、笑わせてくれたりして。


他愛もない話で、気を紛らせてくれる。









「あ。

奈々美、時間だよ。」


愛の言葉に、心臓が跳ね上がったのがわかった。

いきなり心拍数が上がる私。





・・・今、血圧計ったらやばいんだろうな。


なんて、緊張のあまり変な事を考えてしまう。





どんどん不安になる私に、2人は熱い抱擁をしてくれた。






「行ってきます!」



「行ってらっしゃい!」







大丈夫。


答えなんか聞かなくていい。




伝えるだけでいい。








二人に背を向けて、保健室へと走った。








約束の時間まで、あと2分。






.