「やばぁーい。」
「もう、だめだー。」
幕が降りると、皆涙が止まらない。
お互いにハグをしたり、握手を交わしたりしている。
凄く、楽しかった。
このメンバーでやれてよかった。
学校もクラスの垣根も越えて、一つになれた。
裏方に回ってくれた人達も。
エキストラをしてくれた人達も。
皆、泣いていて、輝いていた。
「奈々美。」
振り向くと、優斗が立っていた。
「お前、ひどい顔だな。」
「もうー。
優斗だって泣いてるじゃん。」
目が赤い優斗に対して頬を膨らますと、『ごめん、ごめん。嘘だよ』と言って笑う。
「お疲れ。」
そう私が微笑めば、
「ん。」
右手が差し出された。
私も右手を差し出して、固い握手を交わす。
と、そのまま手が引かれて・・・
ぎゅっと、優斗に抱き締められた。
「お疲れ。」
少しハスキーがかった、あの声で囁くように言われる。
.

