それからというもの、
通し稽古の後には必ずダンスが待っていて、ヒールを履いている女子達はへとへとだった。
「こら、そこ!
ちゃんと手を握って下さい。」
慣れてきた先生は段々スパルタになってきてるし。
「うわー。
もう足ガクガクー!」
短い休憩時間。
恐る恐るヒールを脱いでみる。
靴下を脱ぐと、ひどい靴づれになってた。
皮がむけていて。
足は腫れていた。
・・・いったーい。
「どした。
うわ、いってぇ。」
私の足を見た優斗は、自分が怪我したかのように顔をしかめる。
他の女の子達も、同じように座り込んでいた。
「待ってろ。」
そう言うと、
優斗はいつものエナメルバックから絆創膏を取り出し。
私の足に貼り始めた。
「えっ、優斗?」
「だあってろ。
あ、足りねーや。」
『私持ってるからっ。』と足を引こうと慌てると、
『んじゃ、貸せ。』と言って私の足をそっと掴んだ。
「うっし。
こんなもんか。」
「あ、ありがと。」
「や、別に。
ん。」
立ち上がって、片手を差し出される。
ドギマギしながら握り返すと、
くいっと引っ張られ、簡単に立ち上がれた。
やっぱり男の子だなあ。なんて、思ってしまう。
「ありがとう。」
スカートをはたきながらもう一度お礼を言うと、
「ん。あんま無理すんなよ?」
頭をポンポンって・・・
うやぁーーーーーーーーー!
頭を押さえて見上げると、極上の笑みが返ってきた。
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