階段をとぼとぼと下りる。
愛に友達ができるのは、嬉しいけどちょっと寂しい。
そう感じてしまう自分が嫌いだ。
私の複雑な気持ちとは逆に、窓のから見える太陽は輝いていた。
「奈々美?」
思わず階段を降りていた足が止まる。
澄んだような低い声。
少しハスキーがかって。
ホッとしてしまうこの声は、一人しかいない。
「・・・優斗。」
「んだよ、その顔。
嫌なことでもあったんか。」
ぶっきらぼうに言っているはずなのに、優しい瞳を見せる。
目線を少し下げれば、
肌がほんのり焼けていて、白いワイシャツが際立っていた。
一言で言えば、
・・・かっこいい。
優斗に恋する女の子が後を絶たないのもわかる。
「べっつにー。」
「うわっ、可愛くねぇ。
素直に気まずいって言やいいのに。」
「え。
・・・なんでわかるの?」
「見りゃわかんだろ。」
トクンーーートクンーーー・・・
速まる鼓動。
ただ何気ない一言にときめいてしまう。
少しでも私のこと見てくれてたってこと?
そう思っただけで嬉しくて。
頬がほてり始めた。
.

