地毛なのに、栗色をした髪の毛
透き通るように白い肌
黒目がちな大きな瞳
筋のスーッと通った鼻
綺麗な唇
177㎝という長身の体
全てが健だ。
恐ろしく全てが整った、あたしの大好きなヒト。
「…汐莉?」
「ほぇ?」
あたしの声を聞いて、プッと吹き出す健。
「なに、そのマヌケな声…」
「マヌケじゃないもんっ」
「…ったく、鈍感女」
ニヤッと健が笑った瞬間、おでこに軽い衝撃が走った。
「…ったぁ……」
「ばーかっ^^
汐莉がボーッとしてっからだよ」
「え?健のばーかっ」
健があたしをバカにして、あたしが健に口答えする。
そうやってじゃれ合っていると、
昔に戻ったような気がした。
まだお互いの想いに気が付いていなかった、
幼なじみの頃に……。
「ねぇ、健?」
「あ?」
少しの間だけ、勇気を出して伝えてみる。
あたしはあなたが好きだよって。
「本当に……悲しかったんだからぁっ…」
「え……ちょ…なんで泣いてんだよ?」
…ったく、この鈍感男。
さっき放たれた台詞を心の中で同じように返す。
「……気付いてよ、ばーか」
「泣いてんのか笑ってんのかわかんねーし…(笑」
あたしの心はこんなにも不安定で、
健が他の女の子とハグしてるのを見ると
すごくすごく辛くなって……
健を見るのが怖くなる。
だけど、一歩踏み出したら
すごくすごく笑顔になれたんだよ。
涙で潤んだ世界の中で、人一倍輝くあたしの大好きなヒトを見つけた。
そのヒトは、ものすごい鈍感男で
女心のわからないヤツだけど
そのヒトのキスだけは………
あたしが一番求めてる想いをわかってくれる。
“あなたが一番大好きだよ”って。
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