あたしの体を大きなものが包み込んだ。
あたしの体を……
小さな体を……
壊れないようにでもしっかりと抱き締める。
「絢佳……泣くなよ?
俺が言えることじゃないかもしれないけど……
俺も絢佳が好きだったんだぞ?
俺の一番じゃないかもしれないけど
絢佳は俺の大切な女だ」
嘘つかなくていいよ…?
あたし、立ち直れるから…。
健くんのあたしを見る眼差しは、
“女”としてじゃなく“妹”として見守ってくれていたんだ。
そう思ったら自然と笑顔になれてきた。
「…もう大丈夫だよ?」
あたしが離れようとすると、体が離れない
「もう少しだけ……
側にいてくれねぇか?」
と、健くんが言った。
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