入学式で一番に見つけた笑顔も
あたしの入学を一番祝してくれた言葉も
全て健くんだった。
「…絢佳」
ふいに名前を呼ばれて振り返れば…
そこには桜吹雪に包まれて
太陽の光を眩しそうに浴びる健くんがいた。
「入学おめでとう」
「…ありがとう」
普通なやり取りなのに、
あたしにはとてもときめいて見えたんだ
「絢佳?」
気付いたらあたしは健くんの大きな胸に飛び込んでいた。
「大きくなったな…」
そう言う健くんの背丈だって
あたしより頭一つ分くらい大きいよって言って笑いあったのを憶えている。
「……可愛くなったな」
あたしに投げ掛けられた言葉。
顔を上げると、
照れた表情でそっぽを向く健くんがいた。
「……照れんなよ」
「照れてんのそっちじゃんっ」
「なんだとっ、俺は照れてない^^」
「嘘でしょ~顔真っ赤なくせに」
「それはっ……桜のせいだな…桜ー……」
照れ隠しに桜のせいにするという凄技に出たのだった。
そこに汐莉ちゃんが登場して、
「何してんの?」の一言。
「ん?再開のハグ」
さすがにそれは笑えないだろう……。
と思ったのはあたしだけで。
「あたしも混ぜてー!!」
汐莉ちゃんもノリノリで参加した。
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