「大丈夫か…?」
僕の後ろで転んでいる汐莉を見る。
「ありが…」
潤んだ目で言う汐莉を見て、ちょこっと意地悪。
「地面」
「…なっ……最低っ!」
潤んだ目だったはずが、怒りの目に変わっていた。
「てか…その前に汐莉…あのさ」
「な…何?」
「……パンツ見えてる」
しばらくの沈黙。
それから汐莉の悲鳴。
ああ…耳が痛い。
「健のバカっ!」
そう叫ぶ汐莉の顔が真っ赤。
……可愛い。
立ち上がってスカートを直す汐莉。
汐莉の膝を見ると、血が流れていた。
わわわっ………
驚く僕。気付かない汐莉。
「……ほらよ」
汐莉をお姫様だっこする。
意外と軽い。
「ちょっ……健!下ろしてよっ」
さっきにも増して、ゆでダコのような汐莉。
「いーから。ケガ人は黙ってろ」
「あたしケガしてなっ…」
僕は汐莉の膝を指差す。
すると、再び汐莉の悲鳴。
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