ひまわり



「移動するぞ」


驚きと疑問で硬直したままのあたしを、五十嵐賢斗は抱えて机の裏側に入り込んだ。




自然とあたしの体の上に五十嵐賢斗の体が乗る形になった。

もう、五十嵐賢斗なんてどうでも良かった。


ただ……
健があたしじゃない女の子と二人きりなのが悲しかった。







ガラッ


ドアが開くのが見えた。
少し茶色がかった髪の毛に長身の体。


間違いなく…健だった。






「……神崎?」

小さな声で囁かれた。
気付けばあたしは涙を流していた。



五十嵐賢斗は、頬を流れる涙にそっとキスをして
優しくあたしを抱き締めた。


優しく触れた唇。

今回のキスはあたしから舌を絡める。

どんどん濃厚になるキス





心が空っぽになっていくのがわかる

もう、五十嵐賢斗に抱かれようが何しようが
あたしは何も感じなかった。





「桜井くん……あのね?」

「何?」



ちゅっ………

女の子が健にキスをした




やめて………
健にさわらないで




女の子の腕が健の首に回って
体を寄せ付ける。


お願い……
健はあたしのものなんだよ?






「……いい?」



五十嵐賢斗があたしの耳元で囁く。

ショックで無になったあたしは、五十嵐賢斗の言葉に頷いた。



ジャージの中に入ってくる五十嵐賢斗の手

あたしにキスをしながら優しく触る。





本当はこんな男としたいわけじゃない。

けれど、あたしに心はなかった。




健と女の子は、あたしがこうしてるうちもキスを続けていた。





やめて………

やめて……

やめて!!




あたしは無意識のうちに叫んでいた。






健は驚いて、辺りをキョロキョロと見回している



あたしは立ち上がって健のもとへ走った……








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