聞けるわけなんかない……
汐莉の未来を本人より先に
知ってしまうなんて
あまりに酷だから……
それに汐莉の運命を
知ってしまうことが
何よりも…何よりも。
怖かった……
汐莉の運命が
幸せであることを願った。
僕は意地でも、
汐莉を幸せにしてやるんだ、と思った。
「…なんでもねえや」
「そう…ですか?」
看護師さんが不安そうな
面持ちでそう言った。
「……汐莉ちゃん…のこと?」
看護師さんの言葉に心臓が跳ねた。
ドキドキドキドキ……
心臓が暴れまくっている。
僕は気が気でなかった。
「…今、検査中よ?
きっと大丈夫よ」
看護師さんが笑顔で話す。
昔からいつもそうだった。
看護師さんが
“大丈夫”と言って笑う時には
必ず良くないことがあるって。
小さい頃はその言葉を信じて
注射したり消毒されたりしていたけれど…
看護師さんは嘘をつく。
僕らの気持ちを簡単に裏切る。
僕は直感で感じた。
“汐莉が危ない”と。
でも心のどこかで信じてた。
看護師さんの言葉も…
汐莉?
俺、誓うからさ…
汐莉も誓えよ?
何があっても、俺が汐莉を
守るから…。
汐莉を守り抜くから…。
誓うよ。
“汐莉を永久に愛しぬく”って。
汐莉も誓ってくれるか?
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