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目を開ける。
すると、天井は真っ白で
少し消毒液の匂いがした。
「…………ん」
「…汐莉?」
そこには健が座っていた。
「ちょ…健?!大丈夫?」
「それこっちのセリフ」
「へ…あたし?」
健がこっちのセリフ、と言ったけれど
あたしには何のことかわからない。
なにせ、記憶がないから。
「汐莉、病院に運ばれてきたんだよ?」
病院に…運ばれた……?
あたしが?
頭がごちゃごちゃになる。
「事情とかよくわかんねーけど…
とにかく運ばれてきたんだよ」
健の話によると…
――2日前
自宅で突然倒れた。
いつまでも部屋から出てこないあたしを
心配して、母親が部屋に行ってみると…
あたしがドアの前に倒れていた。
救急車で運ばれてきたが、
2日間意識が戻らなかった。
そして…今。
あたしの顔の前には、ドアップの健。
「汐莉、大丈夫なのか?」
そんな優しい言葉掛けられたら
照れてしまう///
…なんて一人で照れていると
ちゅっ
と小さな音がして、健の唇が触れた。
甘く優しい大人のキス……―
頭の中が健で溢れる。
そっと離れる唇。
「///」
「これで大丈夫だな?」
「うん…「桜井くんっ!!また出歩いて…」
あたしの言葉を遮って、
看護師さんが言い放った。
「いいじゃん…ちょっとくらい」
甘ったるい笑顔で看護師さんに囁く健。
ちょっぴりヤキモチ///
「…///ダメですっ」
看護師さんは顔を真っ赤にしながら言う。
少し……少しだけだよ?
美人な看護師さんにヤキモチ。
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