◇◆Side.汐莉◆◇




ピピピピ....

目覚ましが鳴る。
いつも通りの一日が始まる………

はずだった。




眠気の覚めない体を無理矢理起こす。

ベッドから降りて、制服をクローゼットから出す。




ワイシャツを着て
チェックのスカートを履く。


リボンを付けて
ニットカーディガンとブレザーを羽織る。





全身鏡を見ながらバランスを整えて終わり。



「…よし」





部屋のドアに向かって歩き出そうとした時だった。





目の前が真っ暗になって
立っていられなくなった

一気に血の気が引いていくのがわかる



少しずつ意識が遠退く…




心臓がドクドクととても速く波打つ。


きゅうぅ…と締め付けられる痛みがあたしを襲う








「………た…ける…」




声にならない声で叫ぶ。

だけど、届くはずなんてない。



わかってるけど、健が恋しかった







誰か助けて……







バタン







床に鈍い音が響いてあたしの意識は
遠ざかっていった……







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