健の筋肉質の腕。
広い背中。

健の後ろの席は居心地がよかった。



あたしだけの特等席にしたいな……?





「ね、健?」

「なんか言った?」

「後ろの席さ…あたしの特等席ね?」



健は一瞬、固まった。
それから一言。




「……汐莉しか乗せねーよ」





健の耳が赤くなってる。

なんだ、照れてるじゃん。

照れてる健が可愛くて、胸がキュンとする。




「あ、照れてる?」

「…照れてねーよっ」

「あはは、ばーか」

「それは汐莉だろ?笑」

「じゃ二人共バカでいいじゃん♪」

「一緒にすんなっ」

「もう決まったよーだ^^」




少しだけ……こんな時間がずっと続けばいいのに、って願ってる自分がいた。


健にはあたしだけを見てほしかった。



この感情って…
やっぱり恋なのかな?




「汐莉、上見て!」

健が叫ぶ。




上を見上げると、桜が満開だった。
それは、どこまでも続いていく……。



「……綺麗…」



思わず呟いてしまうほど綺麗だった。




「…着いたぞ?」

「あっ、うん」



桜の綺麗さに見入ってしまっていた。




「…クラス分け表です」

と渡された紙。



健が受け取る。

「クラス分け、何組?」

「同じクラスだぞ…
 1-Cかな?」

「ええー…
 また同じなの?」

「嫌?笑」

「嫌じゃないけど…」

「どんまい^^」



口では言うけど、内心嬉しかった。

また健と同じクラスなのが。





「どこまで腐れ縁なんだよ…(笑」


健はそう言ってるけど、顔笑ってるよ?

健の笑顔があたしは好き。




ずっと見つめていたくなる。




そんなこんなで慌ただしく高校生活がスタート。









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