今の僕は昔より、ちょっとでも大人になれたかな?
汐莉を守れるくらいの強い男になれてるのかな?
自分じゃわからないけれど、一つだけ言えるよ。
“汐莉を愛する気持ちは、あの頃より強いから”
胸を張って汐莉を受け止める腕くらい、しっかりあるよ。
頼りないかもしれないけど、少し頼ってよ?
「卒業証書受け取ったらさ…もう学生じゃないんだね」
さっき受け取ったばかりの証書を胸に抱えて、切なそうに言う。
そんな汐莉にデコピン付きで笑ってやった。
だって……。
「…これから二人で協力していくんだからさ……
まだ学生気分でもいいんじゃね?」
そっとポケットから小さな箱を取り出す。
今日渡したかった。
何がなんでも今日がいいんだ。
目を見開いて驚く汐莉のおでこにキスをして
「結婚しよう」
心からの愛の言葉を全力でぶつけた。
.



