「あのぉー……お二人さん?お取り込み中申し訳ないんですが……」
脩大くんの声が聞こえて、あたし達は咄嗟に唇を離した。
そして、2人で顔を見合わせて笑う。
“あ、忘れてた”
とでも言いたげな健の笑顔につられて、あたしも苦笑い。
「仕方ないなっ……ね、脩大っ♪」
「…だな?」
そちらさんもそちらさんで、ほっぺにチューなんかしちゃって。
どっちもどっちって話だよね。(笑)
「そこの二人は置いといて…そろそろ遊園地入るかっ!」
と言って、健は手を繋いだ。
「おいっ!先に始めたのどっちだよ(笑)」
「はー?俺達知らねーし、な?汐莉」
くだらない会話を交わして、4人で笑い合う。
ささやかな楽しい時間。
静かに訪れるひととき。
可菜、脩大くん、健、そしてあたし。
4人で手を繋いで入口へと向かった。
時々、脩大くんと健が危ない関係に……
なんてことになりそうになって、可菜とあたしで阻止したり。
脩大くんと可菜がラブラブしそうになったり。
なんやかんやで入場。
太陽はさっきよりも高くなって、あたし達を優しく照らしてくれた。
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