「健ー…ここどこ?」
「ん?…汐莉が行きたがってた所」
「…えっ?」
立ち上がって周りを見回すと、
おっきな観覧車やら
ジェットコースターやら
湖やらがたくさん見えた。
ここってもしかして……
「…遊園地?」
……そうだった。
あたしが検査入院で健が治療中の時に病院で話したんだ。
「あたしさ……行きたい所あるんだ」
「何?」
「元気になって、たくさん走れるようになったら……
健と…可菜と…脩大くんと一緒に、遊園地に行きたいな」
ちょっと呟いただけの言葉だったのに……
覚えててくれたんだね。
「やっと気づいた?」
「健……ありがとう」
あたしは健の胸に抱き着いた。
そしたら、健も負けじと強い力であたしを抱きしめてくれた。
その胸が広くて、心地好かった。
そっと瞳を閉じると、唇に温かいものが触れた。
ゆっくりと目を開けたら、綺麗な健の顔が目の前にあった。
「……っ…//」
あまりに綺麗で、思わずみとれてしまった。
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