「よし!これからだ、これから反撃開始だ~っ!」
健の言葉がみんなの心を一つにした。
あたし……忘れてたよ。
どんなに相手の情報を集めたって、
どんなに凄い選手を育てたって、
そこにチームの絆がなくちゃ…試合に勝つことはできないってこと。
そして、自分にとって一番大切な人の笑顔がなきゃ
最高の試合は作れないってこと。
あたし、この試合からたくさんのことを思い出させてもらったよ。
ううん……。
健たちから、だね。
じわじわと目頭が熱くなる……
「おい、汐莉。
なに泣いてんだよ」
「……えっ…?」
ハッとして顔を上げたら、大好きなチームみんなの笑顔が見えた。
“マネージャー、しっかりしてくださいよー”
とか。
“まだ終わってねーっつの”
とか。
ほら、弱虫なあたしに優しい言葉を掛けてくれる仲間がいる。
「「おっしゃー!!
みんなで円陣組むぞー!!」」
そう言って。
輪になって。
笑い合って。
信じ合って。
あたしはもう一度思った。
このチームが。
みんなが。
………健が。
あたしは大好きです。
「「We are No.1!!」」
.



