野村隆久のシュートが入って……
朝日ヶ丘はディフェンスに自信をなくして……
70点もあった点差が、気付いた時にはあっという間に20点差までつめられていた。
今シュート打てたのに…!
パスして、パス…!!
喉まで出かかっては消える。
このままじゃ勝てないって分かってるのに……
ベンチメンバーにもあきらめの色が浮かびはじめて、どんどん縮まる点差。
10点差……
7点差……
5点差……
もう……ダメだ。
みんながそう思いかけた時、明るく強い声が響いた。
「まだ終わってねーぞ!!」
その声は、ベンチに座るメンバーの方から聞こえてきた。
この言葉につられて、また一人……また一人、加わっていく。
「そうだ!」
「あきらめんな~っ!!」
どんどん連なっていく言葉に、思い出したようにプレイにキレが出てく。
やっと朝日ヶ丘に点数が入って、みんな立ち上がって喜ぶ。
ピピーッ
と笛が鳴り響いて、第3クォーターの終わりを告げた。
健たちもさっきまでの苦しい表情は消えて、笑顔でベンチに帰ってくる。
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