ピピーッ
ハーフタイム終了の合図の笛が鳴った。
と同時に、両チームの選手が出てくる……
いた……
「あれが…野村隆久…?」
あたしが想像していたものとは全く違った。
身長は2メートルちかくありそうなくらいで、朝日ヶ丘1の身長の蓮くんより頭一つ分大きかった。
体型は今流行りの“細マッチョ”
ハーフのような顔立ちをしていて、カッコイイ。
当たりが弱そうな感じがするのに……まさか。
でもあれは過去の話だから、大丈夫…大丈夫。
ざわざわとざわめき出す胸を落ち着かせながら、第3クォーター開始の合図を待った。
ビーッ
笛の音が響いて、東栄高校にボールが入った。
野村隆久は朝日ヶ丘の選手より、遥かに身長が高いからすぐにボールが入る。
あっ!!
叫ぼうとした瞬間、野村隆久の放ったシュートはキレイに決まっていた。
野村隆久を投入した東栄は力をつけ、どんどん点を稼いでいく。
85‐15……
ドクン……
頑張って……!!
85‐21……
スコアーを書く腕が震える。
手が……指が……
言うことをきかない
87‐33
あと3分………
お願い……
4クォーターまで差をつめないで…
87‐41
あと2分……
頑張れ…!!!
88‐58
スコアーに記入する朝日ヶ丘の得点が増えない…。
あたしは…どうしたらいい?
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