ひまわり




なんとか……第2クォーターで引き離さなくちゃ……。



「よし!負けねーぞ。
朝日ヶ丘ーーーー!!」

「「We are No.1!!」」



どうすればいい……?
どうしたら野村隆久を抑えられる……?

何か……何かあるはず。




わかんない……

でも、絶対に勝つんだ。
みんなの…健の…その努力は絶対に嘘をつかないから。







運命の第2クォーターが始まった。

先ほどのスタメンが出てきてボールがコートに入る。



朝日ヶ丘がボールを奪い、シュートへ繋ぐ。





健のブレイク

蓮くんのリバウンド

将生くんのレイアップ

裕也くんのドライブ

凌也くんのミラクル



5人の個性が光り、得点が重ねられていく。






そしてあっという間に70点差まで持ち込んだ。

あともう少し……。





そんなこんなでいくうちに第2クォーターも終わりを告げた。


85‐9
まだまだ相手の得点は一桁に抑えられている。


大丈夫……
あたしが落ち着かなくてどうするの。

健たちを信じて見守るだけでいい。
ただ、それだけでいい。


神崎、と呼ばれてあたしは振り向くと、渋い顔をした広瀬先生が立っていた。




「健たちな……だんだん疲れてきてるみたいだから交代しても大丈夫か?」

「疲れ気味なら交代した方がいいとは思うんですけど……次からはちょっと…」



野村隆久が本部に交代を言いに来るのが見えた。


「野村のことか?」

「あ……そうですね」




先生は深いため息をついてからこう言った、

「野村もさっきの試合で十分疲れてるはずだ。
だから試しに他を出してみるか」




大丈夫……大丈夫。

と何度、心に言い聞かせてもこの胸騒ぎは治まることを知らない。






「ねえ、健?」

あたしは健に知恵を求めた。
健はまだあまり疲れの色を見せてはいないけれど、汗はすごく流れている。