◇◆Side.汐莉◆◇
『―さあ!いよいよ決勝戦!
この鹿児島の空に優勝カップを掲げるのは…
愛媛県代表東栄高校か?!
それとも神奈川県代表朝日ヶ丘高校か?!
颯爽と二チームから選手が入場してきました!
まずは東栄高校!!
選手たちよ、精一杯プレーしたまえ!!』
ワアアアアッ
あまりの大きな歓声に、身震いして足がすくみそうになった。
大丈夫……大丈夫。
健たちならできるよ。
信じてる。
仲間を信じて…自分を信じて……
「俺らなら勝てる!!」
「「オウっ」」
………大丈夫。
「この体育館に、このコートに……
自分の力を全部置いてこよう。」
「「オウっ」」
…できる。
「朝日ヶ丘ーーーー!」
「「We are No.1!!」」
みんなで掛け声をして、体育館へと入っていく。
あたしは最後尾についてそのまま、スコアー席につく。
体育館には大歓声が響いて鳥肌がたった
『各々のスターティングメンバーを紹介します。
4番かつ、キャプテン
東栄高校
楠木亮太くん
朝日ヶ丘高校
桜井健くん』
健が私の前まで走ってくる。
「頑張って!」
あたしがそう言うと
「汐莉、ちゃんと見てろよ」
ニヤッと悪戯に笑ってコートへと走っていった。
頑張れ、健。
ちゃんと見守ってるから…!!
審判に礼をし、コートに立つ健の後ろ姿は本当に…本当に、凄かった。
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