ひまわり





体育館中に笛の音が鳴り響いて、改めて感じた。





「……健っ!!」

「「っしゃああ!!」」






この瞬間、僕らはベスト2までに入ったことを悟った。

驚きよりも歓喜の方が大きくて、チームメイト全員で抱き合った



みんなの顔は笑顔に溢れていて見ている僕まで嬉しくなる。




ふと汐莉を見ると、タオルで顔を隠している。

ったく、泣いてんな?





「汐莉」

「…っく……だげる…」


しょうもないけど、可愛い奴だから。

汗がたくさん流れてる腕でしっかりと汐莉を抱きしめた


「バカ、まだ終わってねーよ
泣くなら全部終わってからにしろ」

「……あい…」




しょうもない奴で
世話のかかりすぎる奴だけど。

見守っててくれた

みんなのために、目が腫れるほど泣いて喜んでくれた

……ありがとう





「なあ、汐莉?」

「……うん?」


赤くなった目からは相変わらず涙は流れているけど、目はさっきよりも強く僕を見つめてた。


「もし……優勝できたらさ…」

「…うん」

「俺と……」

「…健と…?」



ゴクリ



「俺と結婚してください」








案の定、汐莉は目を丸くして口をパクパクさせて驚いていた。



「答えは?」

「はい」




「「ヒューッ!!」」

驚いて声のした方を見ると、部員全員が僕たちを見て笑ってる。


みんなに見られたのが、ちょっと悔しかったから

「…なっ…汐莉は俺のもんだから、絶対手出すなよっ!!」


って言って、汐莉にキスをした。