ひまわり




ピピーッ


……終わった。
勝った……勝った…!!

試合終了の合図が鳴り響いて、みんなが群がった。




「汐莉も来いよ!」

健に手招きされて、みんなの輪の中に入った。





「「We are No.1!!」」



どんなチームよりも、朝日ヶ丘で良かったって思えた。

どこよりも温かいチームで、
どこよりも団結力があって……


どこよりも最高のチーム





このチームなら全国に連れてってもらえるような気がした。







「汐莉」

ふいに名前を呼ばれて、あたしは振り返った。




「……っ…!」

すると、健に抱きしめられて“ありがとう”って囁かれた。




そんなことされたら……
涙出ちゃうよ








「おいおい、いちゃつくなら外でやれよ?」

「そうっすよ、先輩ー」

「まったく……バカ」




みんなが笑う。

恥ずかしいのと嬉しいので
頭がパンクしていく。



不思議と会場の黄色い声が聞こえなかったのは、
きっとみんなが取り囲んでくれたからだね?





「うるせーよ。今は感動を分け合ってんの!」

アハハハハっ




健の意味不明(?)な発言に降って湧いたようにみんなの笑い声が聞こえた。



「先輩、みんなの汐莉先輩をとんないでくださいよ~」


あれ、あたしって誰かの所有物的な?

みんなのマネージャーだよ、いや専門は健だけど。




「汐莉は俺のなの!
みんなとったら刑務所行きだかんね」

「健ならやりそうで怖いわー……」



なぜか“俺の”って響きに胸がキュンってした。

嬉しくて嬉しくて。


みんなのおかげかもね








「よし、早く外出るぞー」

「さすが、将生。空気読めてる」



バコッ


「将生様と呼べ。お前がいちゃついてるのが悪い」



なにげに健と将生くんの会話も楽しい

あたしの顔からは笑顔が止まらなくて
顔の筋肉が………って感じ。