ひまわり





少し伸びた汐莉のサラサラな髪

それをすくって、汐莉の頭を撫でた。








僕はふと、三日前に告げられた言葉を思い出していた。


―…「あたし……病気なの、心臓の」





―なんで汐莉が?

そう何回思ったことだろう。



ただ僕は、汐莉が傍で笑っていてくれることだけで。
それだけで良かったのに



どうして引き離されなくてはいけないんですか?

汐莉は何もしてないんです。
純粋に真っ直ぐ生きていただけなんです。



それなのに……
汐莉には生きることさえも許されないんですか?

こんなに早く、余命宣告をされるなんて思ってもみなかった。
僕ならまだしも、なんで汐莉…?







汐莉の寝顔を見ていると、
“命の火”が消えてしまうような気がして
僕は思わず目を伏せた。

大丈夫大丈夫、と心に言い聞かせて
僕はゆっくりと瞳を閉じた。











―汐莉は今、何の夢を見ているのかな?

僕の肩に寄り掛かりながら、どんな夢を見ているの?




たまに笑顔になったりする辺り、きっと楽しい夢なんだろうね

いや、でも。
ほんの一瞬だけれど、苦しそうになるのはどうして?





泣いたり
笑ったり
怒ったり
喜んだり


喜怒哀楽を絵に描いたような、そのまんまの汐莉。






どんな汐莉も愛しくて愛しくて、もっと好きになる

可愛くて可愛くて
愛しくて愛しくて
大好きで。




なんだ、俺。
汐莉にベタボレしてんじゃねーか


前よりもっと惚れてるな、こりゃ。






叫びたいかも。
叫んでもいいですか?


あ、やっぱやめよ。




そんなことしたら汐莉になんて言われるかわかんねーし。


叫んじゃダメなら囁くよ?










汐莉………好きだよ