◇◆Side.健◆◇
肩に違和感を感じて目が覚めた。
そこには、スースーと寝息をたて静かに眠る汐莉がいた。
まじ、可愛い………
汐莉の寝顔を見ていると幸せな気持ちになれた。
あどけない幼い寝顔で眠る汐莉が可愛くて
僕は昔のことを思い出した。
僕が初めて汐莉にキスをしたあの日……――
あの時も汐莉が寝てたんだっけ?
俺、寝込み襲うの嫌いじゃないかも……。
いや…むしろ好きかも。
パサッ
なんて思っていると、
どこからか生徒手帳が落ちてきた。
僕はそれを拾って開いてみた。
すると“おまもり”と書かれた
一枚の小さな小さな封筒のような物が挟まっている。
「……?」
それを丁寧に開けてみると、中には綺麗な形をした四つ葉のクローバーが入っていた。
初めて見たはずなのに、僕は何故か見覚えがあった。
もしかして………
と思い、生徒手帳を裏返すとそこには
“神崎 汐莉”と書かれていた。
そうだ。
このクローバーは僕が初めて汐莉にキスをした時に
探し回ってやっと見つけたクローバーだ。
それを今の今まで
“おまもり”
なんて書いて持っていてくれたなんて……
嬉しくて嬉しくて僕は涙が溢れた。
涙で潤む世界で僕は汐莉に
「………ありがとう」
と小さく感謝した。
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