ひまわり





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「汐莉ー?」


うーん………何?
あたしの名前を呼ぶのは誰?

頬をツンツンと突かれてあたしは瞳を開けた。





「?!」


目の前には健の笑顔。

え……なんで…?



しかも、むちゃくちゃ可愛い笑顔。

驚きと恥ずかしさで顔が真っ赤になる。





「ここ、どこだか分かる?」

健の質問の答えを探すために、あたしは窓の外を見た。

そこにはたくさん飛行機が止まっていて
建物には“羽田空港”と書かれていた。





「あれ……?もう着いたの?」

「うん、ついさっきね」





キレイすぎる沖縄から帰ってきたんだ……
修学旅行も終わっちゃったんだ……

なんか、寂しいな……。




そんなあたしの気持ちを悟ったのか、

「汐莉、また行こうな?」


頭を優しく撫でてくれた。
あたしは小さく頷いて立ち上がった。





「よし、行くか」

健も立ち上がって、自分の鞄とあたしの鞄を持って歩き出した。



「健……ちょ…あたしの鞄」

「いいから。汐莉に持たせるわけにはいかねーよ」




健の言葉にあたしはただ、うんと頷くことしかできなかった。


「それでよし」



小さく笑って健はあたしの前を歩きだす
あたしは小走りに健の背中を追い掛けた。


また背伸びたのかな?

この前見た健の背中よりまた大きくなっているような気がして
あたしは笑顔になった。



どうしてか、健を見ていると自然と笑みが零れるの。

優しく笑える気がするの。



健といる時の空気はすごく穏やかで、
優しく時間が流れていく。

健の特性?っていうのかな。



あ!!いい言葉思いついた!!……かも。

“健の魅力”


うん、カッコ良い。






自分の考えのおかしさにまたあたしはフッと顔を緩ませた。




ああ、幸せ。