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あのキスの後、あたし達は急いでお土産を選んで買った。
家族とか友達とか……
いろんな人に買って、あたしはお小遣を全部使い果たした。
それでも、いっぱい意味はあるもんね!!
「汐莉、コレ可愛いな♪」
健は満面の笑みであたしに言った。
健の手には、さっき買ったばかりの
お揃いのストラップ。
あたしがねだって、健が了承したもの。
それは、星の砂にイルカの形をしたものが一緒にくっついた、可愛いストラップ
「…健、ありがとう」
「コレ可愛くて気に入った!!」
あたしよりも健の方が喜んでたみたいで
少しだけ嬉しくなった。
あたしは自分の分のストラップを取り出して、携帯に付けてみた。
「可愛い~……」
オレンジ色の星の砂がキラキラしていて、それと共にイルカが揺れる。
本当に可愛い。
ストラップが可愛いのも嬉しいけれど、
やっぱり一番は健とお揃いってこと。
“お揃い”ってなんだか“特別”だって言われてるみたいで嬉しいんだ。
健はあたしの特別。
健の特別はあたしだったらいいなぁ……
キィ……ン
真っ青な空と海に見送られて、ゆっくりと飛行機が離陸体勢に入った。
その中で、健がぽつりと呟いた。
「沖縄……楽しかったな?」
「うん!!また来たいね」
いろいろなことがあった沖縄。
健のことを心から信じることができるようになった。
自分の病気に向き合うことができるようになった。
一人の人を真っ直ぐ好きになることができるようになった。
絆が今までよりももっともっと深くなった。
あたしにたくさんのことを教えてくれた沖縄。
あたしを成長させてくれた沖縄。
ありがとう。
また来るね……?
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