「……友達だよ、すっごく大切な」
里実の瞳に捕らえられて苦し紛れに言った。
この言葉に微塵も嘘なんかない。
「じゃあ……どうして教えてくれないの…?
あたしにできることならなんでもするよ?
汐莉の力になりたいよ……
お願いだから隠し事はしないで……」
里実が泣いていた。
あたしのせいで………泣いてた。
あたしの秘密………
これは誰にも言わないと決めていた。
大切な大切な友達にも。
もちろん……健にも
それは………
あたしの病気のこと。
だってこんな暗い話、抱えてるなんて知ったら
みんな離れていくもん。
どうせ死ぬなら一人で
誰にも気付かれないように死ねばいいって思ってた。
でも、あたしの目の前にいる里実の瞳だけは…
絶対に嘘をつかないような気がした。
「里実……あのね、一つだけお願いがあるの」
「何?」
それはね………
「これからも友達だよ」
あたしが言うと、里実は大きく頷いた。
里実は、絶対に嘘をつかない。
一つ大きく息を吸い込んで
あたしは里実に病気のことを話した
里実、お願いだからあたしから離れていかないで……
裏切られたらあたし…
どうやって呼吸すればいいかわからなくなる
どうやって人を信じればいいのかわからなくなる
里実はあたしのそんな不安なんか思い切り消し去ってこう言った。
「絶対、大丈夫だから……!!」
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